Tableau、無料で個人データも使えるように!
Tableauを試しに使って、ちょっと勉強してみたいけれど、ライセンス料が高くて・・・。
突然ですが、そんな皆さんに大変な朗報です。
2024年4月末から、Tableauが個人用途なら、事実上無料で扱えるようになりました!
試しにTableauを使ってみたいとか、本格的に勉強してみたいという方にとっても、ハードルが大きく下がりました。
今回の記事では、この方針転換の意味について解説したいと思います。
これまでのTableau Publicは、私的利用ができなかった
変わったのは、Tableau Public Desktopという無料版ソフトウェアです。
Tableau Public Desktopは、有料版のTableau Desktopの機能の大部分が使えました。ただ、Tableau Desktopと最も異なる点は、作成したファイルを、Tableau Publicという公開プラットフォームに公開しなければならないという点でした。
そうすると、どうしてもTableauの用途は限られてくるわけです。
たとえば、自分のダイエット管理をTableauを使ってやりたい人は、世界中に自分の体脂肪率のヒミツを暴露してしまうことになるわけです。それが嫌なら、年間10万円以上のライセンス料を支払わなければなりません。個人で利用するには、あまりにも高いハードルです。
結局、Tableau Publicで扱ったりするデータは、政府官公庁などのオープンデータかサンプルデータということになってしまいます。結局、仕事で使うためにTableauの勉強をするという以外の使い方は、非常に困難だったわけです
はっきり言ってしまえば、それが一般層にTableauが普及しない最大の障害になっていたのだと思われます。
Tableau Publicでファイルがローカル保存できるように!
2024年4月30日、Tableauは公式ブログで、Tableau Public Desktopの最新版でローカル保存ができるようになったことを発表しました。
これは非常に大きな戦略転換です。
個人では、自分の生活のためにTableauを使うということが無料でできるようになりました。健康管理・家計管理・資産管理・タスク管理など、色んな用途が思い浮かびます。
また、企業でも、Tableauを試してみるのに、試用版Tableau Desktop以外の選択肢が出てきたことは、大変な朗報です。
たとえば、これまでならば、Tableau Publicで企業所持データを使ってみるということは、情報セキュリティの観点からは不可能でした。ところが、これからは、手元にあるExcelデータを読みこませて、Tableauでどんなグラフが作れるのか、ちょっと試してみるということが可能になったのです。
これは、Tableauを未導入の企業にとってプラスなのはもちろんのこと、すでに導入している企業にとっても、利用促進を促すものになるでしょう。
Talbeau開発元であるSalesforce社としては、利用の裾野を広げ、BI業界最大手であるMicrosoft Power BIに追いつきたいという目論見が、今回の戦略転換の背景にあるものと思われます。
Tableau Public Desktopにできないこと/できること
では、Tableau Desktopに出来て、Tableau Public Desktopに出来ないことを整理します。
- Hyperファイル を使うことができません。単にデータからの抽出機能を使えないだけではなく、Hyperファイルとそもそも接続することができません。
- ほとんどのデータベースと接続することができません。
- Tableau Serverに接続することができません。
それでは、Tableau Public Desktopで接続できるデータは何でしょうか?
- Excelファイル
- テキストファイル(csv, tsv, txtなど)
- JSONファイル
- Microsoft Access
- PDFファイル
- 空間ファイル(geojson, kml,shpなど)
- 統計ファイル(savなど)
- OData
- Google Drive
- Webデータコネクタ(廃止予定)
まとめると、個人が利用するようなExcelなどのファイルを取り込む機能は残されています。その一方で、企業が使っているありとあらゆるデータベースとの接続機能は省略されています。また、高速なHyperファイルへの抽出・接続ができないため、扱えるデータ量にはどうしても限界があります。
その一方で、GoogleDriveとの接続機能は地味に嬉しいですね。Googleシート(以前はGoogleスプレッドシートという名前でした)で作成したデータを、そのまま分析に使えるからです。
また、Tableau Desktopにはない機能が追加されています。
- ワークブックの「自動保存」機能
これは地味に便利な機能で、誤ってTableau Public を閉じてしまって、ファイルが削除されることを防いでくれます。通常のTableau Desktopにも早めに導入されてほしいです。
分析の流れから見る、TableauとTableau Publicとの違い
繰り返しになりますが、通常のTableau製品と比べてTableau Publicにないものは、
- データベースとの接続
- Tableau Prepによるデータ準備
- Hyperデータ抽出機能
- Tableau Serverへのパブリッシュ機能
の4つです。
Tableau とTableau Publicとの違いを、分析の流れから説明すると次のようになります。
以前の記事でもお伝えしたとおり、本来、データ準備(Tableau Prep)→データ可視化(Tableau Desktop)→データ共有(Tableau Server)の三つが一体となって、Tableauという製品を構成しています。これが、企業や組織の中で、Tableauを使うときの流れです。
それに対して、Tableau Publicではデータベースに接続できず、Tableau Prepによるデータ準備もできません。そして、作成したViz をTableau Serverで共有することができません。共有する先は、Tableau Publicだけということになります。
繰り返しになりますが、これまでのTableau Publicでは、すべてのデータをPublicに共有することが前提だったため、事実上は公開しても問題がないオープンデータやサンプルデータしか扱えませんでした。
しかし今回、ローカル保存ができるようになったため、いくつかの制限付きでTableau Public Desktop単体でも利用可能になったということです。ただ、企業での利用が前提となるデータベース接続や、Hyperファイルとの接続・抽出が行えないことを考えると、Tableau Publicのローカル保存は、個人利用を想定したものだと考えられます。
ダウンロード先とインストール方法
個人でも、気軽に自分のために使えるようになったTableau Publicのダウンロード先はこちらです。
https://www.tableau.com/products/public/download
DOWNLOAD TABLEAU PUBLICボタンを押すと、名前とメールアドレスと国の入力を求められます。
Business E-mailを求められていますが、普通にGmailを入力いただいてもまったく問題ありません。
下の’I agree to the Privacy Statement’にチェックを入れて、DOWNLOAD THE APPボタンを押せばダウンロード完了です。
あとのインストール作業は、ほとんどTableau Desktopと同じです。
まとめ Tableau Publicを使って、自分のためだけのVizを作ろう!
以上、今回の記事ではTableau Publicの方針転換について説明してきました。
個人利用目的なら、誰でも無料でTableauを使える時代が来たのです。
あなたなら、どんな用途で使ってみますか?
たとえば、自分の体重や体脂肪、血圧などを毎日記録して、可視化して分析してみても良いかもしれません。
自分が遊びに行った場所の記録を付けているなら、そこから自分だけのマップを作ってみるのも興味深いでしょう。
お小遣いの収支とか見るのも面白いかもしれませんし、履歴書・職務経歴書を作成してみるのも手です。
皆さんがVizを公開しているプラットフォームであるTableau Publicを訪問すると、たくさんのVizが公開されています。今回の戦略転換によって、今後は個人用途のダッシュボードの雛形もたくさん公開されてくるのではないかと予想されます。
これまで、高いライセンス料に尻込みしていたみなさまも、Tableauを初めてみませんか?
本ブログでは、今後もそんな皆様にも役立てるような情報を発信していきたいと思います。
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