Tableau Readerとは?
この記事では、Tableau Readerの解説とインストール方法を説明します。
Tableau Readerは、Tableauで作成したを、パソコン上で表示および操作することができる、無料のデスクトップアプリケーションです。 パッケージドワークブック
Tableauのライセンスを持っていない人でも、たとえば誰かが社内で作成したをTableau Readerで開き、インタラクティブにデータを探索できます。 ダッシュボード
逆に言えば、Tableauでダッシュボードを作りたい人やカスタマイズしたい人は、Tableau DesktopあるいはTableau Public Desktopが必要です。
Tableau DesktopとTableau Readerの関係は、Adobe AcrobatとAcrobat Readerの関係に似ています。PDFを作るのにはAcrobat(あるいは他の作成ソフト)が必要ですが、PDFを閲覧するだけなら、誰でも簡単に使える無料のAcrobat Readerで十分です。
それと同じで、Tableauで作ったワークブックを、誰でも無料で見ることを可能にしたのが、Tableau Readerなのです。
Tableau Readerを使うのは難しいの?
Tableauは難しいというイメージを持たれがちです。
グラフやダッシュボードを作るTableau Desktopや、データ処理を行うTableau Prepや、社内のデータ共有プラットフォームであるTableau Serverのセットアップには、確かに一定の学習が必要でしょう。
しかし、Tableau Readerは、誰かが作ったダッシュボードを触るだけの機能しかありません。ソフトウェアとしてはまったくの初心者でも問題なく使いこなせます。(ダッシュボードの出来が悪ければ、当然、操作がわかりにくいということはありえます。)
Tableau Readerのシステム要件
まず、Tableau Readerのインストール要件を確認しておきましょう(ダウンロードしたのにインストールできなかったら悲しいですしね。)
Tableauには、Windows版とMac版があります。
以下は、2024年8月現在(Tableau Desktop 2024.1)のシステム要件です。
Windows版
- Microsoft Windows 8/8.1、Windows 10 (x64)、Windows 11
- 2 GB メモリ
- 1.5 GB 以上の空きディスク領域
- CPU は SSE4.2 および POPCNT 命令セットをサポートしていることが必要
Mac版
- macOS Big Sur 11.4 以降、macOS Monterey 12.6 以降 (Tableau 2022.3 以降)、macOS Ventura (Tableau 2022.3 以降)、macOS Sonoma (Tableau 2022.3 以降)
- インテルのプロセッサ – Core i3 (デュアルコア) 以降
- Apple シリコンプロセッサ (Rosetta を使用 – 2024.1 以前)
- Apple シリコンプロセッサ (バージョン 2024.2 以降)
- 4 GB 以上のメモリ
- HDD の空き容量 2 GB 以上
Tableauのバージョンによってシステム要件は変わるので、最新情報は技術仕様を確認ください。
Tableau Readerのダウンロード
それでは、まずTableau Readerをダウンロードしていきます。
実は、Tableauの公式Webサイトから、Tableau Readerのダウンロード画面を探すことはけっこう難しいです。なぜなら、Tableauとしては、後で述べる理由により、無料のTableau Readerよりも有償のTableau Viewerライセンスの利用を推奨しているからです。
なので、Googleで「Tableau Reader ダウンロード」と検索し、「今すぐダウンロード」をクリックしてください。あるいは、こちらのリンクを開いてください。。
そうすると、Tablerau Readerの登録画面が出てきます。
必要な項目を入力して、ダウンロードボタンを押すと、自動的にダウンロードが開始されます。
登録すると、自動的にインストールファイルのダウンロードが始まります。
Tableau Readerのインストール
以下、Windowsを前提にして、インストール手順を説明します。
インストール操作は、基本的にWindowsの管理者権限があるアカウントで行ってください。
お使いのパソコンがWindowsなら、おそらくダウンロードフォルダに、TableauReader-64bit-xxx.exeという500MB超のファイルがダウンロードされていると思います。
そのファイルを開くと、インストール画面が開始されます。「同意します」にチェックを入れます。
「製品の使用状況データを送信しない」は、チェックを入れても入れなくてもかまいません。また、「カスタマイズ」からインストールフォルダを選択することができますが、通常は変更する必要は特にありません。
「インストール」をクリックすると、ユーザーアカウント制御画面が出てくるので、「はい」をクリックします。
数分でTableau Readerがインストールされます。
Tableau Readerの使い方
インストールが完了すると、デスクトップにTableau Readerのアイコンが出ています。開くと、非常にシンプルな画面が表示されます。
「ファイルを参照」、あるいはメニューの「ファイル」から「開く」をクリックして、Tableauのワークブックを開くことができます。
ただし、開くことができるのは、中にデータが含まれているパッケージドワークブックのみで、通常の(データが埋め込まれていない)ワークブックを開くことはできません。閲覧・操作したいワークブックがTableau Readerで開けない場合は、作成者の方に、「パッケージドワークブック」形式で出力してもらう必要があります。
Tableau Readerで出来ることは、
「ファイル」メニューから
- 印刷
- PDFに出力
- PowerPointにエクスポート
「ワークシート」あるいは「ダッシュボード」メニューから
- クロス集計表へのエクスポート
- データのコピー・エクスポート
- イメージのコピー・エクスポート
と非常にシンプルです。
ダッシュボードの操作方法は、ダッシュボードによって異なりますので、作成者に問い合わせてください。
Tableau Reader使用上の注意点、Tableau Viewerとの違い。
先にも述べたように、Tableauの開発元()としては、セキュリティと社内ガバナンスの観点から、Tableau Readerよりも、 Salesforce社を推奨しています。 有料版のTableauライセンス(Tableau Viewerなど)
Tableau Reader自体に、極めて深刻なセキュリティ上の問題が存在するわけではありません。データが配布される仕方で、セキュリティ上の問題が発生しうると考えているのです。
たとえば、企業の売上データのダッシュボード利用を例にとってみます。売上データのダッシュボードをTableau Desktopで作成し、メールにファイルを添付するというのが、おそらく最も一般的な配布方法でしょう。
すると、メールアドレスを仮に間違えていたら、意図しない人がファイルを見ることができることになります。あるいは、誰かがメールを社外に転送するということも起こりうるのです。
もちろんこれは、Excelなどのファイルすべてで起きうる問題です。ただ、Tableauの売上ダッシュボードの裏には、会社の詳細な売上データがすべて入っていることがありえます。なので、Tableauのパッケージドワークブックの漏洩は、より深刻な問題に繋がりかねません。
そのためTableauの開発元は、社外に漏洩してはいけないダッシュボードなどについては、社内のあるいは Tableau Onlineにアップロードして、閲覧者は有料のTableau Viewerライセンスで見ることを強く推奨しているのです。 Tableau Server
逆に言えば、社外に仮に漏洩しても大きな問題にならないデータ(オープンデータなど)については、基本的にTableau Readerで十分ということです。
以上の注意点を踏まえて、有料のTableauのライセンスを利用するのか、Tableau Readerを利用するのか、利用形態やセキュリティ・データの種類を加味して、総合的に判断する必要があります。
Tableau Viewerとは違って無料で使えるのは魅力的ですし、お試しでTableauの使い勝手を知ってもらうためにとても役にたつソフトでもあるので、ぜひ積極的に活用してみてください。
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